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映画、書評、ジャズなど

「アイス・カチャンは恋の味」★★★★☆

http://www.nhk.or.jp/sun-asia/aff/11th/index.html#a01
 第11回NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映された映画で、マレーシア出身のシンガーソングライターのアニュウが監督・主演を務めた作品です。

 アイス・カチャンというのはかき氷のことですが、アニュウ監督は初恋がかき氷のようなものだということで映画のモチーフとして取り上げたわけです。
 アニュイ監督は次のように言っています。

「初恋はかき氷のようなものです。暑いとき口に入れると歯にしみます。そしてすぐにとけてしまいます。初恋のように味わう前になくなってしまうのです。」

 ボタックはマレーシアのとある街でコーヒーショップを営む家の次男。その2階には、母親と共に父親の元から逃げてきた闘魚と呼ばれる勝ち気な娘がいた。ボタックと闘魚は幼なじみで、シャイなボタックに対して、闘魚は男の子たちを打ち負かす強い少女だった。

 ボタックは大きくなるにつれて、闘魚に心を寄せていくが、なかなかうまく伝えることができない。他の幼なじみたちも入り交じりながら恋心が芽生えるが、なかなかカップルは成立しない。

 闘魚は自分の父親に会いにいくため、母親には内緒でボタックと一緒に旅に出る。

 やがて、ボタックの兄はクアラルンプールでコーヒーショップを開き、闘魚も母親と一緒に都会へ出て行く。闘魚からボタックに一度手紙が届いたが、それっきり音信は途絶える。ボタックも都会に出て行くが、時々闘魚のことを思い出すのだった。。。


 この映画はとにかく映像がきれいです。そして、闘魚のさっぱりと毅然としていながら繊細なキャラクターも大変魅力的です。

 最後、クアラルンプールの人混みの中で大きくなったボタックと闘魚がニアミスしながらも互いに気づかず、再び人混みへとバラバラに消えていくシーンは、とても印象的なシーンです。

 決して派手な映像はありませんが、深い心の動きを表現している点で、アジア映画の良さが存分に発揮されています。

 コミカルでありながら大変切ない、、、そんな素晴らしい映画でした。