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藤子・F・不二雄ミュージアム

 9月3日にオープンしたようですが、大きな反響を呼んでいます。
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム

 民主党政権は、このミュージアムについても「市営マンガ喫茶」などと低俗な批判を繰り広げるのでしょうか??

 今や日本のアニメやマンガは世界に対して大きな文化的発進力を持っています。海外の多くの若者たちが日本のアニメやマンガを見て育ってきています。アニメやマンガを通じて日本に関心を持ち、日本語の学習を始める若者も数多く存在します。彼らを日本に呼び込むためには、アニメやマンガの魅力を活用するのが、もっとも手っ取り早いのです。

 ところが、民主党政権は、政権発足当時、文化庁が提案した「メディア芸術総合センター」について、「アニメの殿堂」やら「国営マンガ喫茶」などと低俗な批判を繰り広げました。日本の文化的魅力を全く理解していないことの現れです。

 かつて石坂啓氏は、

「国費で額縁に原画を飾っても、ありがたがって見に来るマンガ好きはいない。恥ずかしいから私の作品は並べないで」

と述べておられましたが、この藤子・F・不二雄ミュージアムについても同様の評価をなされるのでしょうか?

 ドラえもんのファンは世界中にいます。ですから、この藤子・F・不二雄ミュージアムは、世界からも人を呼ぶ力を持っています。日本が世界から人を呼び込むためには、こうしたアニメやマンガの力を活用することが必要不可欠ですが、今、海外からアニメやマンガの魅力に惹かれて日本にやってきた人々は、どこにいけばよいのでしょうか?訪れるにふさわしい施設はありません。日本がインバウンドに力を入れようと思うのであれば、いち早くアニメやマンガを総覧できるような施設を作るべきでしょう。

 政権交代期の不毛な論争によって、こうした施設の整備は遅れてしまいました。であれば、今回の川崎市のように、地域がそれぞれの地域出身の漫画家などのメモリアル施設を整備するの一案でしょう。

 今の民主党政権よりも地域の方がよっぽど優れた感性を持っています。

 以下、これまでの参考記事です。
広義の文化政策 不可欠な軸 - loisir-spaceの日記
蓑豊「超・美術館革命―金沢21世紀美術館の挑戦」 - loisir-spaceの日記
「アニメの殿堂」 文化政策のあり方を問え(8月10日付・読売社説) - loisir-spaceの日記
村上隆「芸術起業論」 - loisir-spaceの日記