- 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
- 発売日: 2009/08/05
- メディア: DVD
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新聞社社長を夫に持つジャンヌ(ジャンヌ・モロー)は、田舎生活に退屈し、仕事で忙しい夫からもあまり相手にされないことから、友人のマギーに会うためにしばしばパリに足を運び、ポロをたしなむ紳士ラウルに出会い、互いに恋をする。
ジャンヌの夫はジャンヌがパリに足繁く通うことに疑念を抱き、マギーとラウルを自宅に招待することを求め、ジャンヌもそれを断ることが出来なかった。
マギーとラウルがやって来る日、パリから帰宅中にジャンヌの車が故障してしまう。そこに通りかかったのは考古学を研究するベルナールだった。ジャンヌはベルナールの車に乗せてもらい、自宅までたどり着くことができた。そして、ベルナールもその夜の晩餐に招待した。
案の定、晩餐はぎこちないものとなった。翌朝は皆で釣りに行くことになり、一同早く就寝することになったが、ジャンヌは夜な夜な戸外に繰り出した。そこにベルナールも付いていく。当初ベルナールを拒んでいたジャンヌだったが、やがて2人は互いに求め合い、ベッドの上で至福の時間を過ごすことになる。
翌朝、唖然とする一同をよそ目に、ジャンヌとベルナールは2人で車に乗り込み駆け落ちしていく。ジャンヌはこの先幸せになれるか不安を抱いていたが、それでも後悔はなかった。。。
ジャンヌが夫とラウルの間で心が揺れ動く物語かと思っていたら、突然第三者のベルナールが割り込んできて、訳も分からず2人で駆け落ちしていってしまうオチには観る側も唖然とさせられてしまうのですが、なぜかそれが不自然な違和感を感じさせることなく、ジャンヌの刹那的な身の委ね方や欲情に流されていってしまう生き方にどこか共感してしまうから不思議です。ジャンヌ・モローの演技力の為すところかもしれません。
この作品は、何と言っても音楽の選択が素晴らしいです。音楽は重苦しくズッシリとリズムを刻む♪ブラームス弦楽六重奏曲1番です。 このブラームスの音楽がこの作品の雰囲気を基底しています。ルイ・マルは、映画における音楽の効果的な活用という意味において天才的なセンスを発揮しています。この作品も見終わった後にいつまでも、このブラームスが頭の中をぐるぐる回るほど、印象的に使われています。
若きルイ・マルがどうしてここまで内面的な不倫の作品を創作することができたのかは分かりませんが、壮絶な不倫ドラマに見終わった後もしばし呆然としてしまうくらいの迫力を持った作品です。