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映画、書評、ジャズなど

「おしゃれ泥棒」★★★★☆

 ウィリアム・ワイラー監督のコメディ・センスが冴え渡り、ヘップバーンの魅力が存分に発揮されている好作品です。

 美術品の盗作を生業としているシャルル・ボネは、数々の盗作品をオークションに出品し、大金を手にしていた。しかし、ボネの出品作品に疑いを持った人物からの依頼でその邸宅に忍び込んだシモン(ピーター・オトクール)は、その娘のニコル(オードリー・ヘップバーン)に見つかってしまう。そして、ニコルの銃が誤って暴発してシモンを傷つけてしまい、それが縁で2人は知り合うことになる。

 ボネはニセの像をチェリーニのビーナスだとして美術館に貸し出していたが、保険をかけるために鑑定を受けなければならないことになってしまった。鑑定を受ければニセの像だということがばれてしまう。そこでニコルはシモンに、展示されている美術館からこの像を盗み出すことを依頼する。

 シモンは美術館に忍び込み、防犯装置を何度も誤作動させることで警備員にそのスイッチを切らせ、その後この像を盗み出すことに成功した。シモンは、この像にぞっこん惚れ込んでいるコレクターに像を売り渡した。そのコレクターはニコルにプロポーズしていたが、像を譲る代わりにニコルとの婚約も解消させ、シモンとニコルは晴れて結びついたのだった。。。


 この作品ではヘップバーンの魅力が存分に発揮されています。おそらく『ローマの休日』と並ぶくらい、ヘップバーンがスクリーン上で綺麗に撮れています。美術館の狭い倉庫でニコルとシモンが身を寄せ合って潜んでいるとき、ニコルがシモンに対し、像がニセ作品であることに薄々気付きながら、なぜ像を盗み出す依頼を引き受けたのか?と質問します。その答えとして、シモンはニコルにそっとキスをします。そのシーンがとても自然体で素敵です。

 こういう作品は非常に後味がいいです。エンターテイメントとしての映画というのはかくあるべし、と思わず言いたくなる作品です。