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映画、書評、ジャズなど

「大脱走」★★★★

 ドイツの捕虜となった英米軍捕虜が集団で脱走を図るという話です。

 前半は捕虜収容施設から抜け出すためにひたすら穴を掘り、後半は脱走に成功した兵士たちがドイツから抜け出そうと逃走を続けます。結局、脱走の途中でドイツ軍に見つかってしまい、脱走を図ったのはごく一部の兵士のみで、しかも逃走した兵士の多くは途中でドイツ軍に捉えられてしまい、その大半は殺害されてしまいます。
 米軍のヒルツ(スティーヴ・マックィーン)は収容施設に戻ってきて、再び独房に入れられます。

 ストーリーは極めてシンプルなのですが、脱走を図った後の兵士たちのシーンは、自由の謳歌と追っ手から逃れる緊張感によって、ピーンと張りつめた空気が漂い続けます。兵士たちが逃走するドイツの大自然やドイツの街並みは大変美しく、こうした場面設定だけでも映画を十分に堪能することができます。

 しかし、この作品の凄いところは、一定の史実に基づいた作品だという点です。そういう前提で見ると、脱走中のシーンが俄然緊迫感を帯びてきます。

 収容所に留置されている捕虜たちがなぜこれほどの危険を冒してまで、成功率の低い挑戦に挑むのかは、おそらく戦場という絶望的な状況に実際に身を置いてみないと完全には実感できないでしょう。

 史実に残る名作たる所以がよく分かりました。

ちなみに、主題歌はあまりに有名です。