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「シャングリラ」★★★☆

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id336969/
 中国の雲南省チベット族自治州のシャングリラを舞台にした映画作品です。

 主人公ジー・リンは、息子を交通事故で亡くして以来、息子のことが忘れられない日々を送っている。加害者との示談を急ごうとする夫との関係もうまくいかない。そんな状況の中、ジー・リンは息子が残した宝探しに導かれながら、シャングリラの梅里雪山へと向かう。
 シャングリラでは鞄を盗難され、途方に暮れているところに、ジー・リンの後をつけてシャングリラにやってきた若者と知り合い恋に落ちる。
 その後、山に上っていき、一人の山岳民族の少年と出会う。その少年と馬に乗ってさらに山中深く進んでいくと、その少年が実は亡くなった息子だった。。。

 この作品の見所は何と言っても映像の美しさです。中国山岳地帯の魅力が映像の中で存分に描かれています。
 そして、主役のチュウ・チーインの美しい笑顔にも癒されます。『ラスト・コーション』にも出演されていた女優らしく、とても好演技をしています。

 息子を亡くした女性が息子の影を追ってはるか遠くの山岳地帯に逃避し、そこで知り合った男とアバンチュールを過ごすという設定も、それなりに説得力がある設定のようにと思います。

 本作品の監督ティン・ナイチョンはもともと舞台を中心に演出をされてきた方のようですが、これから映画製作を積み重ねていけば、もっと洗練された作品を生み出していくことができるのではないかと思います。