- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: DVD
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場所は1928年のロサンゼルス。クリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)の一人息子のウォルターは、クリスティンが急遽頼まれた仕事に出ている間に行方不明になってしまう。彼女はその日のうちに警察に捜索を依頼するが、警察はなかなか動いてくれない。ウォルターはなかなか見つからなかったが、5ヶ月後に警察はウォルターを発見したとクリスティンに連絡してくるが、クリスティンはその子どもを一目見てウォルターでないと悟った。しかし、子ども自身は自分がウォルターだと主張していることから、ロス警察はその子どもがウォルターであるとの確信を変えなかった。
その子どもがウォルターでないことは歯科医や学校の先生も認めるところであり、クリスティンは何度もロス警察にウォルターの捜索を要求するが、警察はクリスティンを精神病院に送ってしまう。
ところが、ある日、一人の子どもが、自分が数々の子どもの殺害の手助けをしたと証言する。そして、その中にウォルターも含まれていたというのだった。この情報をきっかけに警察が捜索したところ、多くの子どもの骨が見つかった。
犯人の男はクリスティンに対して、自分はウォルターを殺したとは言わないまま、結局絞首刑となってしまう。ロス警察の捜査のずさんさや隠蔽体質も糾弾され、関係者が処分された。
その後、ウォルターと一緒に監禁されていた子どもが名乗り出てきた。その子どもによれば、ウォルターともう一人の子どもと3人で監禁場所からの脱出を図り、ばらばらの方向に逃げたため、ウォルターの安否は分からないとのことだった。しかも、ウォルターはその子どもが脱出に手間取ったため、わざわざ引き返してきてその子どもの脱出を手助けしたとのことだった。
その言葉を聞いたクリスティンは、新たな人生を生きる勇気を手にした。ウォルターがどこかで生きていることに希望を持ちながら。。。
冒頭にも書きましたが、エンディングの清々しさが実によく出来ています。ウォルターが監禁場所から脱出した際のエピソードを聞くまでは、クリスティンはどこかふっきれずにいたのですが、ウォルターは脱出を試み、しかも自らの危険を顧みずに他の子どもの脱出を手助けした、というエピソードがクリスティンをどれだけ勇気づけたことか。
おそらく、ウォルターが脱出に失敗して連れ戻された上、殺害された可能性の方が高かったでしょう。しかし、クリスティンはウォルターの勇敢な行動とわずかながらも生きている可能性を知ることによって、生きる希望を取り戻したのです。
このエンディングの場面だけでも、この作品は映画史上に残るものだと思います。
余計な言葉を並べずして観る者に圧倒的な納得感を植え付けてしまう手腕に脱帽した作品でした。