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映画、書評、ジャズなど

「プライドと偏見」★★★★☆

 ジェーン・オースティンの代表作『高慢と偏見』の映画版です。身分の異なる若いジェントリの恋愛が「高慢」と「偏見」によって紆余曲折しながらも、最後は結婚にたどり着くというシナリオで、原作の良さが忠実に再現されています。

 ジェントリ階級の中でも比較的地位の低いベネット家には、娘ばかりの5人の子供たちがいる。当時土地は男しか相続できなかったことから、母親は娘たちを良家に嫁がせることで頭がいっぱいだった。そんなとき、ベネット家の隣に、位の高いジェントリのピングリーとその妹が越してきた。その友人のダーシーも一緒だった。まもなく開かれた舞踏会で、ベネット家の長女ジェーンはピングリーと意気投合したが、次女のエリザベスはダーシーに対して良い印象を持たなかった。ダーシーの態度は格下の身分の者に対して高慢だったのだ。

 やがてジェーンはピングリーの後を追ってロンドンに出て行くが、2人は結婚に至らず破局してしまう。それは、ダーシーがピングリーにアドバイスした結果だという。また、エリザベスはかつてダーシーの家の使用人だった者の息子の将校ウィッカムから、ダーシーの悪口を聞かされ、ダーシーに対する印象はますます悪くなっていく。なので、ダーシーがエリザベスに恋を打ち明けた際、エリザベスは冷淡に拒絶する。

 ある日、ベネット家の末女リディアが将校ウィッカムと駆け落ちをしたという知らせがベネット家に舞い込む。周囲の噂を気にするベネット家ではその対応に追われたが、結局リディアとウィッカムは結婚することで落ち着いた。その手配をしたのがダーシーだった。また、ダーシーは自分のアドバイスでうまくいかなかったジェーンとピングリーを再び引き合わせた。それは次女エリザベスへの愛情によるものだった。

 エリザベスはダーシーに対する偏見を持っていたことを知る。そして、再びダーシーがエリザベスに告白した際、ダーシーはそれを受け容れたのだった。。。


 実にすがすがしいストーリーです。そして、この作品では英国の自然を実に美しく表現しています。西日が射し込む森や沼地、厚い雲が立ちこめるどんよりした草原、いずれも絶妙なカメラワークによる映像美を実現しています。

 そして、主演女優のキーラ・ナイトレイの演技力が光っています。イアン・マキューアンの原作を映画化した作品『つぐない』でも、彼女の好演は光っていましたが、この『プライドと偏見』における魅力はぴか一です。

 映画における一つのあるべき到達点といっても過言ではない出来です。