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「プラダを着た悪魔」★★★★☆

 実にファッショナブルで後味の良い映画です。こういう映画は文句なく見た人をハッピーにしてくれます。

 ジャーナリスト志望のアンディ(アン・ハサウェイ)が偶々就職面接を受けたのは、世界中の女性が憧れるファッション雑誌ランウェイの編集長ミランダ(メリル・ストリープ)の秘書だった。アンディはファッション業界に興味はなく、服装のセンスも全くなかったが、ミランダの目に止まり秘書として採用される。

 ミランダから指示される仕事は、未刊のハリーポッターを子供のために入手せよといった無茶苦茶なものばかり。ミランダは何度も切れそうになるが、やがてファッションセンスを身につけて、ミランダの信頼を勝ち得ていく。その反面、アンディは彼氏との間に亀裂を生じさせることになる。

 秘書の先輩のエミリーは、ミランダに付いてパリのファッションショーに行くことを夢見て、そんなミランダに忠誠を誓っていたが、ミランダはアンディをパリに連れて行くことを決める。

 パリに行ったアンディは、パリで一夜の恋仲となったフリーのエッセイストのクリスチャンから、ミランダがランウェイの編集長から追い落とされようとしていることを知る。アンディはそのことを必死にミランダに伝えようとするが、ミランダに伝えることはできなかった。しかし、ミランダは既にそのことを知っており、先回りして手を打っていた。

 ミランダはそんなアンディを一層高く評価し、仕事のために多くの人々を犠牲にする姿勢がアンディと自分とは似ていると指摘するが、アンディはたまりかねてミランダの下を去っていく。

 アンディは元の彼氏と再び再会し、ジャーナリストの仕事を探す。アンディは面接に行った先の編集者から、ミランダがアンディを高く評価し推薦してくれたことを聞かされる・・・。


 人間性のかけらもなさそうなミランダが最後の方で人間的な面を出していたのが、エンディングを実に心地よいものとしています。また、アン・ハサウェイプラダの服を着た途端に実に魅力的な女性へと変貌するのが見所ですが、やはり映画の雰囲気をビシッと決めているのはメリル・ストリープのクールな演技です。実にかっこいい熟女を演じています。

 ニューヨークとパリの魅力がうまく映像として現れており、おしゃれで気持ちの良い映画です。