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映画、書評、ジャズなど

「アバター」★★★

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tydt/id334089/
 世界中で記録的なヒットを飛ばしている映画ですので、やはり見逃せないということで早速見てきました。当然3Dの方で見ました。

 話は極めてシンプルで、地球人が鉱物資源を目的にパンドラという惑星に侵出し、そこで原住民と対立するというものです。地球人が原住民ナヴィと接する際は人間とナヴィ族とのDNA結合体であるアバターを操縦します。戦争で脚を悪くした主人公のジェイクは、アバターを操縦してナヴィ族の娘ネイティリと接しているうちに、恋に落ちてしまいます。他方、地球人は鉱物資源を手に入れるために、ナヴィ族の居住地を攻撃することを決定します。ジェイクら数名の地球人はナヴィ族の側について地球人と戦いを挑み、地球人との戦いに勝利すると、ジェイクはナヴィ族の一員として生まれ変わります。

 確かに3Dの映像の迫力はもの凄く、スクリーンから浮き出るような映像は映画館でしか体験できないものでしょう。

 ただ、肝心なストーリーの方はといえば、お粗末の一言に尽きます。原住民の意向を無視した乱暴な侵略に対して地球人の中から反発が出ること自体、自然なことですが、だからといって、地球人を相手に戦いを挑み、最後はナヴィ族の一員となってしまうというのは、ちょっと安直な設定という気がします。地球人であるというアイデンティティとナヴィ族に対する共感の間でもう少し重大な葛藤があってしかるべきでしょう。そうした深層心理の描写がこの作品からはスポッと抜け落ちてしまっているのです。

 アバターを通じて原住民と接するという設定の意味もよく分かりません。単に酸素濃度の問題なら、酸素マスクを付けていればよいだけです。容姿もそっくりにならなければ原住民と通じ合えないというのは、何か大きな誤った設定のような気もします。

 まぁ、誤解を恐れずに言えば、

ハリウッドが『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』を作るとこうなってしまうんだなぁ〜

というのが私の率直な印象です。

 こうした文明対自然というテーマをきちんと描けるという意味では、日本映画の方が数倍上手であることを再認識しました。