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映画、書評、ジャズなど

「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」★★★★

http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD15353/index.html
 世界中で大ヒットを記録している原作の映画がついに公[開されましたので、早速見に行きました。

 この映画のストーリーは、以前原作について記事にした際に書いていますので、こちらを参照してください。
スティーグ・ラーソン「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」 - loisir-spaceの日記

 ただ、映画と原作ではいくつかの点で異なっていました。

 第1に、映画ではハリエットの残した暗号の秘密を解読したのはリスベットという設定になっていますが、原作ではミカエルの娘の言葉がきっかけとなっています。

 第2に、映画ではハリエットの逃亡を助けたアニタは若くして死亡していたという設定になっていますが、原作ではアニタは生きており、アニタの電話を盗聴することによってハリエットの居場所が突き止められるというストーリーになっています。

 第3に、原作では、ヘンリックがミカエルに依頼をする際に、ヘンリックはヴェンネルストレムについての重大な秘密を教えることを条件としていたのに対し、映画ではそうした条件は出てきていません。

 第4に、映画ではミカエルとサランデルが恋に落ちるという設定になっていますが、原作では、サランデルはミカエルに密かに恋心を寄せるものの、それが言い出せずに、ミカエルが同僚のエリカと親しげにしている光景を目の当たりにして、ミカエルに思いを伝えるのを断念するというストーリーになっています。

 
 それ以外にもいくつか大きな点で原作と映画の設定は異なっているのですが、まぁ、これだけの大作を2時間ちょっとの映画にまとめ上げる上で設定の変更はやむを得なかったのでしょう。映画の魅力という意味においても、これらの設定変更はそれほど大きな支障にはなっていなかったように思いました。

 ただ、一つ残念だったのは、映画ではリスベットの魅力や並はずれた能力の描写が今ひとつ迫力がなかったかな、と思われる点です。リスベットは並はずれた映像記憶能力を持っているという設定ですが、映画の中ではこの点があまり強調されていなかったように思います。

 それにしても、この映画の映像からは北欧の殺伐とした雰囲気が良く伝わってきます。スウェーデンというと、まずは福祉国家という明るいイメージが思い浮かんでくるわけですが、実際は、寒空の下に広大な平野と森林が広がっているような地域です。

 そして、旧ソ連諸国から移民や出稼ぎの人たちが流入しているわけです。映画の中でも、マルティンはそうした女性たちを数多く陵辱の上殺害しており、だからこそ長期間にわたって犯罪が見つからなかったわけですが、この映画を見ると、北欧のこうした裏社会の事情が鮮明に伝わってきます。

 そもそも原作が素晴らしいだけあって、映画も大変素晴らしいのですが、上映映画館数が少ないのが残念です。もっと多くの映画館で上映されてもよいはずの映画です。

 キャスティングも、原作から受け取られるキャラクターのイメージにぴったりマッチしており、大変良くできた映画であることは間違いありません。