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映画、書評、ジャズなど

「ロシュフォールの恋人たち」★★★★☆

映画

ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

 ミシェル・ルグランの楽曲があまりに際立っているミュージカル仕立ての作品です。

 舞台はフランス西南部の小さな街ロシュフォール。年に一度の祭りを控えて、イベント屋が大挙して乗り込んできた。そんな街でピアノとダンスがそれぞれ得意な双子の姉妹ソランジュ(F・ドルレアック)とデルフィーヌ(C・ドヌーヴ)がいた。

 2人の母親イボンヌは街の広場でカフェを経営している。そこに顔を出していた兵役中の画家マクザンスは、理想の女性を追い求めていたが、いまだ見つかっていない。理想の女性を描いた絵に描かれているのはデルフィーヌそのものであったが、デルフィーヌの存在には気づいていない。

 他方、ソランジュは街で偶然アメリカ人のアンディ(G・ケリー)と出くわし、運命の糸を感じ合う。ソランジュはちょうど街にやってきたピアノ商のダムにアンディを紹介してもらうよう頼んだばかりだった。そのダムは実は、姉妹の母親イボンヌのかつての婚約者だったが、イボンヌがダムという名前に耐えられず結婚に至らなかったという過去があった人物であった。

 こうしてこの作品に登場する人物たちは様々な形で結ばれる運命にあったが、映画のラスト近くまですれ違いが続くが、やがて次々と結ばれていくのだった・・・。


 この映画の醸成する雰囲気に圧倒的な影響力を持っているのが、ミシェル・ルグランの♪You must believe in springです(原曲は仏語歌詞で、これは後に英語の歌詞がつけられたものです。)。映画の最初の方で、マクザンスがイボンヌのカフェで独り歌うのを始め、映画の随所にこの曲が顔を出します。何か哀愁漂う雰囲気がいかにもフランス映画らしさを醸し出しています。 こんな楽しいシーンもあります。 映画のストーリー設定もよくできており、終わり間近まですれ違いが続くなど、最後まで見る人を飽きさせません。最後、パリへ向かうデルフィーヌが乗るトラックをマクザンスが偶然ヒッチハイクして飛び乗るシーンは、とてもおしゃれなラストシーンです。

 そして、ロシュフォールの広場や街並みがとても魅力的に描かれています。広場のカフェが人々の交流の中心としてうまく機能しており、街全体を活性化させている状況が描かれています。こんな魅力的な空間が日本の地方都市にもあったら、街全体の雰囲気はさぞかし変わってくるだろうなと感じます。

 私はこの映画全体を支配している雰囲気がとても好きです。