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Reuben Rogers,Eric Harland&Taylor Eigsti@Body&Soul

 昨日はBody&Soulの35周年記念ということで、オーナーがアメリカから連れてきたルーベン・ロジャース(b) エリック・ハーランド(ds) テイラー・アイグステイ(pf)のトリオの演奏を聴いてきました。このトリオは、Body&Soulのオーナーが2007年にNYで開催されたIAJE(International Association for Jazz Education)でその演奏を聴いて大変感動されたトリオとのことで、この1週間、日本のミュージシャンとともにBody&Soulに出演されています。今回はトリオだけの演奏ということで、自由奔放な演奏が聴けるのではないかと期待して足を運びました。
http://www.bodyandsoul.co.jp/highlights/img/0810.pdf

 このトリオ、とにかくスピード感が半端じゃありません。緩急自在のドラムが全体のリズムの基底となっており、一つ一つの演奏がまるで壮大な交響曲であるかのような印象を受けます。ドラマーのエリック・ハーランドが、高校時代にウィントン・マルサリスに見出されたというのも頷けます。

 ベースのルーベン・ロジャースもバークリー音楽院で学んだ正統派のミュージシャンです。ピアノのテイラー・アイグスティのピアノも素晴らしく、そのスピード感あふれる演奏は超人技です。

 ちなみに、アイグスティは今年の6月に来日しCotton Clubで演奏していたようで、また、ルーベン・ロジャースもかつてジョシュア・レッドマンのトリオとして何度か来日されているようですので、日本と全く無縁というわけではなかったようです。

 このトリオを一言で表現するとすれば、

正統派ジャズの進化形

といえるような気がします。

 オリジナルを徹底的に自己流にアレンジしてしまうのですが、それが決してフリージャズ的な欺瞞性は感じられず、真摯に演奏している感じが聴衆にきちんと伝わってきます。

 アンコールの1曲前に演奏された♪Caravanでは、元のメロディーが顔を出すのは冒頭と終了部分だけで、その他の部分では延々と独自のアレンジで演奏されました。しかし、決して好き放題に演奏しているわけではなく、おそらくはコード進行がきちんと維持されて演奏されているため、居心地の悪さは全く感じられません。

 こういう最先端のジャズを身近に楽しめるというのは、東京も立派なジャズ・シティといえるかもしれません。