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岸博幸「「アニメの殿堂」ほど正しい予算の使い方はない」

テクノロジー :日本経済新聞

 この記事についてのみ言えば、著者の意見に全く賛同します。

 海外から日本のアニメを目当てに来日した人たちが足を運ぶような場所を作ることの意義は極めて重要です。
 そのためには、中途半端な予算で陳腐な施設を作ったってダメなんです。
 独立採算にこだわったばっかりに、内容がおろそかになってしまっては本末転倒です。やはり当初は運営資金をきちんと手当てした上で、ある程度作品がそろったら、ルーブル美術館みたいに、海外の美術館に貸し出したりして、資金を稼いでいけば良いのです。

 サブカルチャーを真っ正面から捉えた村上隆の作品が欧米で高い評価を受けているくらいですから、アニメも数十年経てば、立派な芸術となっているかもしれませんし、そういう風に持って行かなければなりません。

 でなければ、中国や韓国が多額の資金をつぎ込んで先に立派な「アニメの殿堂」を建ててしまうことでしょう。そうなると、世界のアニメファンは中国や韓国を目指してしまうことになるでしょう。

 「国営マンガ喫茶」など低次元な比喩を用いて、政治が足の引っ張り合いをしている場合ではないのです。