- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2006/11/22
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あちらこちらで評判が高いジム・ジャームッシュ監督の作品なのですが、この感性、つぼにはまる人とそうでない人でくっきりと分かれるのではないかという気がします。
ニューヨークに住むハンガリー出身のウィリー(ジョン・ルーリー)の下に、16歳の従兄弟エヴァ(エスター・バリント)がハンガリーからやってきた。エヴァは10日経ったらクリーヴランドのロッテおばさんのところに行くことになっていたが、それまでの間、ウィリーが預かることになったのだ。ウィリーはその友達のエディー(リチャード・エドソン)とつるんで競馬や賭博にいそしんでおり、エヴァの存在を煙たがっていたが、エヴァは献身的にウィリーの部屋を掃除したり、夕飯を万引きしたりするうちに、ウィリーらもエヴァと心が通じ合うようになっていく。
エヴァはやがてクリーヴランドのロッテおばさんのところに行ったが、ウィリーとエディも賭博で儲けた金を手にその後を追っかけていく。そして、エヴァを連れて雪深いクリーヴランドから南国フロリダに向かうのだが、着いた先は殺伐として閑古鳥が鳴くシーズン・オフのフロリダだった。ウィリーとエディが賭博で金を失ってしまうと、エヴァは愛想を尽かして、滞在先のモーテルから飛行場に向かってしまう。残された2人は後を追い、ウィリーは飛行機の中まで追っかけていったが、結局、ウィリーだけが飛行機で飛び立ってしまい、エヴァは再びモーテルに戻っていたのだった・・・。
何ともシュールでブラックなコメディです。特にエヴァはほとんどにこりともせずに、淡々と抑揚もなく台詞をしゃべっている感じなのですが、その行動はクールで、ウィリーがプレゼントしてくれたドレスを、ウィリーの家を出た途端に脱ぎ捨ててゴミ箱に捨てたりする行為が何とも言えず滑稽です。
作品の台詞中に「東京物語」が登場するなど、ジャームッシュ監督は小津安二郎監督に影響を受けているようで、確かに、物語の進む速度は小津安二郎監督に通ずるものがあると言えるかもしれません。
こういう映画はおそらく何度も見ると味わいが出てくるのかもしれませんが、あまりのニヒルさに、私は正直退屈感が圧倒的に上回ってしまいました。