- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: DVD
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話は、吹雪の中に命からがらある邸宅にたどり着いた男が、雪の中からキャシーという女の呼ぶ声を聞き、邸宅の主人がキャシーを探して家を飛び出していく場面から始まります。
ノース・イングランドの当主はリヴァプールからの帰途で身寄りのない一人の少年を庇護し、ヒースクリフ(ローレンス・オリヴィエ)と名づけて邸宅で養うこととした。この邸宅には当主の息子のヒンドリーとキャシー(マール・オベロン)がいたが、ヒンドリーはヒースクリフのことを虐げていたが、キャシーはヒースクリフと仲睦まじく接しており、2人はペニストーンの岩の下で将来一緒になることを誓い合っていた。
やがて、キャシーは上流階級の子息であるエドガーから求婚され、心がヒースクリフとの間で揺れ動く。ヒースクリフは邸宅を後にして南米に旅立ち、2年後に成功を収めて帰ってくる。そして、酒に溺れた生活を送っていたヒンドリーから邸宅を買い取る。
キャシーはすでにエドガーと親密になっていた。ヒースクリフはエドガーの妹に近づいたが、それはキャシーに近づくためだった。
やがて、キャシーは病に倒れる。ヒースクリフとキャシーはキャシーが死ぬ直前、ペニストーンの岩の下での誓いを回想し、互いに思いを打ち明け合う・・・。
冒頭のキャシーの声は、もちろん亡霊の声です。ヒースクリフはキャシーの亡霊がやってくるのを待ち続けており、ようやくやってきた亡霊に向かって飛び出していったというわけです。何とも執念深い恋愛物語です。
『嵐が丘』が単なる暑苦しい復讐恋愛物語となっていないのは、昔を回想する形をとっているからでしょう。こういう回想形式は映画にはよくありますが、この作品では映画化の際に特に効果を発揮しているような気がします。
それにしても、さすがウィリアム・ワイラー監督だけあって、映画のテンポの良さは抜群に素晴らしいものとなっています。