- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2006/12/20
- メディア: DVD
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舞台はニューヨークの波止場。ここではヤクザが仕切っており、裏切りに対しては死の制裁が加えられた。かつてプロボクサーだったテリーは、勝てる試合を八百長で負けたことがきっかけで、波止場のヤクザの一味に加わっていたが、ある日、友人のジョーイが裏切りを咎められてヤクザのボスのジョニーに殺される。テリーはジョーイを屋上におびき出すことに荷担したが、殺されるとまでは思っておらず、良心の呵責に苛まれる。
殺されたジョーイの妹イディはテリーと幼ない頃の顔見知りだった。テリーはイディに対して次第に心を寄せていく。イディはこの町の神父とともに、ヤクザたちに立ち向かおうとしていた。
テリーはジョーイと最後に言葉を交わした人物として法廷に来ることを求められる。テリーはイディへの愛とヤクザ組織への忠誠の間で揺れ動く。しかも、テリーの兄チャーリーはヤクザ組織の法律顧問を務めていた。
テリーはついにイディに対し、事件の真実を告白する。このことが原因で、テリーの兄のチャーリーはジョニーに殺される。
テリーはついに法廷で真実を話すことを決意し、ジョーイ殺害の真実を激白する。
それ以降、テリーは波止場で誰からも相手にされなくなり、仕事も与えられなくなる。テリーはジョニーたちの下を訪れ、口論となったあげく、とっくみあいとなる。
身体を張ってヤクザに立ち向かうテリーの姿を見て、波止場の人々はようやくテリーに声援を送る。ジョニーは人々によって岸壁から海に突き落とされ、テリーはようやく認められ、再び仕事を与えられたのだった・・・。
最後のシーンはいささか<臭さ>が感じられるものの、正義が勝つという物語としては、なかなかうまくできたストーリーです。
港湾労働がヤクザの収入源になっているというのは日本だけに限ったことではないのですね。山口組がその典型だったわけですけど、波止場にとってヤクザ組織というのはある意味必要悪でもあったわけです。
この映画は最後、ヤクザが人々から見放され、労働者が解放されたところでハッピーエンドとなるわけですが、本当にそれで手放しのハッピーエンドなのかという疑問は残ります。つまり、波止場においてヤクザ組織がなくなれば、その分、船荷事業者の力が強くなるわけで、必ずしも労働者たちの幸せにつながるとは限らないからです。
そういう意味では、この映画の洞察力はもう一つ足りないような気もしないではありません。
まぁ、そんなことをさておけば、それなりに楽しめる社会派映画です。