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映画、書評、ジャズなど

NATALIE COLE@BLUE NOTE TOKYO

ジャズ

http://www.bluenote.co.jp/jp/schedule/detail.php?id=162

 待望のナタリー・コールのライブを鑑賞してきました。今回は少し早めに足を運んだため、ほぼ最前列で鑑賞することができました。

 最初、ピアノ、ベース、ドラムのセッションが少々続いた後、ナタリー・コールが登場したのですが、まず驚かされたのが、ナタリー・コール車いすで登場し、抱きかかえられるようにしてステージ上の椅子に腰を下ろしたことです。

 最近のアルバムのジャケット写真でも、顔色の良いナタリー・コールが写っていますが、ステージ上のナタリー・コールは顔が全体的にほっそりとしており、髪にも痛みが目立つという痛々しい印象を受けました。

 こんな感じでしたので、果たして歌を歌えるのかと心配な気持ちにさせられましたが、一旦歌い出すとさすがに超大物シンガーだけあって、健康面の不調など感じさせない張りのある歌声を披露してくれました。

 やはり多くの聴衆が期待しているのは、父ナット・キング・コールが歌った数々の名曲です。後半は「Smile」「Unforgettable」「Love」とおなじみの曲が続き、会場は拍手喝采です。特に、「Unforgettable」は父親の昔の映像に合わせてナタリー・コールがデュエットするというおなじみのスタイルです。


 最前列に近いところで見ると、ナタリー・コールの大物ぶりがしみじみと伝わってきました。歌っているときの一つ一つの表情、真っ直ぐ目を向けたときの目力のパワーにはさすが一流の大物といった印象を受けました。

 ただ、やはり心配は健康面です。ナタリー・コールはかつて薬物との戦いを続けてきた過去があります。今回のライブでの健康面での不調の原因は定かではありませんが、少なくとも顔の表情の印象は少し前のナタリーの表情とは似ても似つかない感じがしました。ステージ上でも、椅子の後ろのクッションをスタッフに何度も調整させるなど、相当無理をして歌い続けているというのが見て取れました。

 そんな感じでしたので、演奏が終了して抱きかかえられるようにしてステージを下りたナタリーに再度ステージに戻ってきてもらおうなどと考えるのはいたたまれず、当然アンコールもなくステージは終了です。

 今日は今回の来日ライブの初日ですが、ナタリーはこれから1週間に渡るほぼぶっ続け(休みは一日だけ)のブルーノートでのライブが続きます。果たして最終日まで持ちこたえられるのかと本当に心配になってしまいました。

 (少し不謹慎ではありますが)ステージ上のナタリーを見て、この人はこのままもうすぐ天国に上っていってしまうのではないかとすら思えてしまい、そんな印象がナタリーのステージにますます神々しさを与えているかのようにさえ私には思われました。

 とはいえ、私が最近見たライブの中では最も至福の時を過ごすことができたライブであったことは間違いありません。通常のミュージック・チャージよりも高い13.650円でしたが、値段相応の幸せを与えてくれたライブでした。