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「ダ・ヴィンチ・コード」★★★

 一度映画館で鑑賞したのですが、再度DVDで見ました。ダン・ブラウンの小説を映画化したものですが、スリリングな歴史的テーマを取り上げたものであり、おそらく敬虔なキリスト教信者が見ると思うところが多々あるのでしょうが、キリスト教に対してあまり思い入れがない立場で見れば、それなりのエンターテイメントです。

 ルーブル美術館で、館長の死体が謎めいた暗号とともに発見された。その現場に連れてこられたのが、ハーバード大学のラングドン教授(トム・ハンクス)だった。ラングドンは館長殺人の疑いをかけられたのだった。そこに館長の孫娘で暗号解読官のソフィー・ヌヴーオドレイ・トトゥ)も来る。ソフィーはラングドンが犯人でないことを確信し、2人はフランス司法警察の追っ手から逃れつつ、館長の残した暗号の秘密を探っていく。

 館長を殺した男シラスは、オプス・デイ教団の一員で、聖杯の秘密を探っていたのだった。

 他方、ラングドンとソフィーは、ラングドンの旧知であるリー・ティービングの邸宅を訪れ、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に隠された聖杯の秘密を知る。聖杯とは、マグダラのマリアのことであった。イエス・キリストマグダラのマリアと結婚しており、イエスが磔にされたときに、彼女は身ごもっていた、これは世界史を大きく揺さぶる事実であった。

 ラングドンとソフィーとリーの3人は、イギリスへ飛ぶが、実はリーは館長殺害の黒幕だったことが分かり、リーは警察に逮捕される。

 ラングドンとソフィーはロスリンの礼拝堂に向かう。そこで、ソフィーは実の祖母に出会う。実は、殺された館長はソフィーの祖父ではなかった。ソフィーはマグダラのマリアの直系の子孫、すなわちイエス・キリストの子孫だったのだ。

 そこには聖杯はなかったが、ラングドンは最後、聖杯のありかについてひらめき、ルーブルに戻ってくる・・・。


 この映画が取り上げた題材は大変興味をそそられるものです。正統派キリスト教に対する痛烈なチャレンジですから、壮大なテーマです。しかし、正直、ストーリーとしては多くの点で不満が残ったことも事実です。

 ソフィーがキリストの子孫だという結末は少し安易ではないかという気がしますし、最後、ラングドンルーブル美術館にたどり着くという落ちも、いまいち説得力がありません。

 テーマが壮大で、おそらくや莫大な制作費がかけられたであろうことをかんがみると、もう少し見る側を唸らせるストーリー展開があり得たのではないかという気がして、残念です。