読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
映画、書評、ジャズなど

「暗くなるまで待って」★★★★

映画

暗くなるまで待って [DVD]

暗くなるまで待って [DVD]

 オードリー・ヘップバーンが盲目の女性を演じた作品です。全編を通して場面はほとんどがある一室の中で、閉じられた空間の中で次から次へとテンポよく話が展開していくところに、この映画の最大の魅力があるといえます。

 盲目の女性スージ(オードリー・ヘップバーン)の夫サムは、カナダから飛行機で帰る道程で、知り合ったばかりの女からヘロインが詰め込まれた人形をかばんにねじ込まれる。サムはそれがヘロインだとは知らずに自宅に持ち帰った。犯罪組織の一味のロートは、トルーマンとカリーノの2人の男を巧みに脅して、サムの家からその人形を取り返すことに協力させる。

 スージーが帰宅し、3人の男たちはスージーが盲目であることを知った。そこで、スージーを騙して人形を取り戻すべき、様々な芝居を打つことになる。

 男の1人は夫サムの海兵隊自体の同僚になりきり、スージーの信頼を得ようと努める。1人は息子が不倫をしているという父親を演じ、1人は不倫をしている息子を演じる。

 ところが、スージーは次第に状況がおかしいことに気がつき始める。その手助けをするのが、同じアパートに住んでいてスージーの世話をしているグローリアだった。

 スージーは警察に連絡しようとしたが、電話線は切られていた。3人の男のうちの1人が、仲間を殺した後、家の中でスージーに迫ってくる。スージーは家の中の電球をかたっぱしから破壊し、家の中は真っ暗な暗闇となる。だが冷蔵庫の明かりだけは消えていなかった。

 そんなとき、夫のサムが間一髪駆けつけ、スージーの奮闘を慰労する・・・。


 こういう閉じられた狭い空間を舞台にした映画というのは、奇抜な展開とストーリー展開の善し悪しが命になるわけですが、この話はもともと舞台劇用の設定ということもあり、盲目の女性を男たちが芝居を演じて騙す、という設定が秀逸です。

 スージーとロートが対峙したとき、スージーは家の中を真っ暗にしようとしますが、完全な暗闇になればスージーは圧倒的に優位に立つ、しかし、冷蔵庫の明かりで完全な暗闇は作れない、そうした緊迫した状況に見る側はハラハラさせられます。

 このように“暗闇”をテーマにしたサスペンスというのは、映画館で見るともっと迫力があるんだろうな、という気がしました。