- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: DVD
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時は第二次大戦後のウィーン。町は米英仏ソで4分割統治され、闇市がはびこっている状態だった。主人公で作家のホリー・マーチンは、旧友のハリー・ライムに仕事を紹介してもらうためにこの町にやってきた。ところが、ハリーのアパートを訪ねると、その管理人から、ハリーは家の前で車に轢かれて、遺体を乗せた棺が運び出されたばかりであることを知らされる。ホリーはハリーの墓地で行われていた葬式に足を運び、そこで出会った警察官から、ハリーが闇取引に関わった悪党であったと知らされる。
その後、ホリーは、ハリーの友人らから話を聞いていくうちに、ハリーが轢かれた状況に疑問を持つ。そして、ハリーが轢かれた現場には、2人の友人のほかに“第三の男”がいたことを知る。
そして、ついにホリーは、ハリーを目撃し、ハリーが実は生きていることを知った。警察がハリーの墓を掘り返すと、そこに埋められていたのは、ハリーの手下である別人だった。
ホリーはハリーに接触し、観覧車の中で話を聞く。そして、警察が言うとおり、ハリーが本当に悪党であったことを確信する。そして、ハリーが警察に捕らえられている恋人を売ったことを知る。ホリーはハリーの話を聞いて、ハリーを信じていただけに大いに落胆する。
警察からハリーをおびき出すよう求められたホリーは悩んだが、ハリーの悪事によって犠牲となった子供たちの姿を見せられ、ついに警察に協力することを決心する。そして、おびき出されたハリーは、地下の下水道の迷路を逃げまくった末に、銃で撃たれて命を落とす。
ホリーはハリーの元恋人アンナに恋心を抱くが、最後のシーンで、彼女はホリーの横を冷たく素通りしていく・・・。
全編を通じて流れるおなじみのテーマ曲が、せつなくて哀愁が漂う映画の雰囲気をうまく作り出しています。そして、映画の色調は全体的に暗く、町中のシーンでも、余計な通行人がほとんど登場しないのですが、それがかえって登場人物の行動を際だたせる効果を与えています。
地下の下水道の中のハラハラするチェイスや、観覧車の中でのホリーとハリーの緊迫したやり取りは、この映画にサスペンスの要素を付け加えており、また、ハリーの元恋人のアンナの存在と、アンナに対してホリーが恋心を寄せるものの、最後は冷たくふられるという設定は、この映画にロマンス的な要素を付け加えていて、この映画の魅力を一層高めているといえます。
とにかく、見れば見るほど、映画史に残る所以がはっきりと分かってくる、そんな映画です。