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映画、書評、ジャズなど

「黒衣の花嫁」★★★★

黒衣の花嫁 [VHS]

黒衣の花嫁 [VHS]

 1968年のフランス・イタリア映画で、『死刑台のエレベーター』などに出演した妖艶な女優ジャンヌ・モローが圧倒的な存在感を発揮しています。

 ジュリー(ジャンヌ・モロー)は、次々と冷酷に男たちを殺していく。最初は、婚約済みの男をパーティーでバルコニーに誘って突き落とす。次は、銀行員の男に音楽会のチケットを届けて、アパートに誘われたところを毒殺する。それから、政治家の男の妻を巧妙に実家に帰らせ、子供の教師を装って男に近づいて、家の物置に閉じこめて殺害。

 なぜジュリーはかくも計画的かつ冷酷に男たちを次々と殺害しているのか。実は、ジュリーとその幼なじみの男性ダビッドとの結婚式の最中、5人の狩猟仲間が近くのビルで集まって遊んでいたところ、その1人がビルの窓からふざけて教会に銃を向けていたところ、誤って銃を発射してしまい、ダビッドが殺害されたのだった。5人は事件を隠蔽するために以後一切連絡を取り合わずバラバラになったが、ジュリーは執念で5人を突き止め、次々と殺害していったのだった。

 ジュリーの4人目の殺害計画は、ターゲットが逮捕されて収監されてしまったので後回しになる。5人目のターゲットは画家で、ジュリーは画家のモデルとして近づき、画家から持たされた弓矢で画家を殺害した。そして、その後ジュリーは後回しになった4人目のターゲットを殺害するため、自らも収監され、ついに刑務所の中で刃物で殺害した・・・。

 この作品では、途中までなぜジュリーが淡々と殺害を重ねているか明らかにされないのですが、それが見る側に一層の緊迫感を与えてくれます。

 フランシス・トリュフォー監督がヒッチコックのファンなだけあって、カメラの回し方にも様々な工夫が見られます。

 幸福の絶頂からどん底に突き落とされた花嫁が復讐を企てるという構成も、サスペンスにぴったりの設定です。

 サスペンス・ファンとしては必見の映画です。