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映画、書評、ジャズなど

「勝手にしやがれ」★★★

 ジャン=リュック・ゴダール監督を一躍有名にした作品です。1959年のこの映画は、「ヌーヴェルヴァーグ」(=新しい波)という50年代のフランス映画界における運動を象徴する映画とされています。この運動は、下積みを経験していない若い監督たちによる運動で、それまでの映画の文法を壊した運動であり、この映画も、映画の常識に照らせば何ともナンセンスなシーンの連続といえます。

 自動車泥棒の常習犯のミシェル(ジャン・ポール・ベルモンド)は、盗んだ自動車を飛ばしている際に警察官の追跡を受け、警察官を銃で殺害し、指名手配されてしまう。そんな中、ヘラルド・トリビューンの売り子をしていたパトリシア(ジーン・セバーグ)の下に身を寄せ、パトリシアを必死に口説き落とす。ミシェルは金を手にしてパトリシアとともに外国で行こうと説得していたが、結局、パトリシアはミシェルの居場所を警察に伝え、ミシェルは駆けつけた警官に銃で撃たれ、道の真ん中で倒れた・・・。

 この映画は、最初から最後までナンセンスな場面の連続です。空港でのインタビューのやりとり、ミシェルによる数々の突飛な行動(いきなり車を降りて道を歩く女性のスカートめくってみたり・・・)、いずれもその意味は不明であり、ナンセンスです。

 しかし、この映画にはかっこよさや悲しさを纏った「美」がどことなく漂っており、映画を見ているとうっとりしてしまうのです。この「美」を感じられるかどうかが、この映画を楽しめるかどうかの境目といえそうです。

 ・・・とはいえ、やはり見ていて面白いかと言われれば、私はまだまだその境地には達していないようです。