- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2007/07/13
- メディア: Blu-ray
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かつてマニーは粗暴な殺人犯として鳴らしていたが、今では2人の子供と共に細々と農場を営む優しい父親となっていた。先立った妻がマニーの人間性を変えたのだった。
そんな中、マニーのところに、かつての相棒の甥キッドがやってきて、報酬目的の殺しを一緒にやらないかと持ちかけてくる。カウボーイ2人組がある娼婦を切り付けて大けがを負わせたが、保安官(ジーン・ハックマン)が彼らに重い罪を科さなかったことから、娼婦たちがカウボーイたちの殺しを請け負う者を探していたのだった。
マニーは悩んだが、子供たちの将来の資金のためを思って、殺しを請け負うことを決心し、かつての仲間であるネッドも誘い入れて、3人は町へ向かった。
3人はカウボーイの1人を見つけて殺すが、ネッドは仲間からはずれたいと申し出て、1人帰ることになるが、残った2人はもう1人を探し出して殺した。しかし、ネッドは家に戻る途中、町の保安官らに捕まり、拷問の末に殺され、酒場の店先で晒し者にされる。これに怒ったマニーは、かつての殺しや時代の本性が蘇り、酒場の店主や保安官らを皆殺しにした。
その後、マニーは再び子供たちとの生活に戻っていった・・・。
以上があらすじですが、イーストウッドの物静かさが、その裏に隠されたかつての殺人鬼の本性を逆に引き立たせるような不気味さを醸しだしています。
また、銃というものが、本来自分の身を守るためのものであるのに、それが逆に自分たちをより危険に晒す結果となっているという皮肉な状況も感じました。一端相手と対峙すれば、より早く銃の引き金を引けば相手を殺せるし、逆に一瞬でも遅ければ自分の命を落としてしまうわけですから、撃つか撃たれるかしかないわけです。そこが、剣と剣が対峙するかつての日本における決闘とは意味合いが全く異なるような気がします。剣と剣のぶつかり合いであれば、お互いに名を名乗りあったり、言いたいことを言い合ったりする余裕があり、結果的にお互いが剣を収めることもあり得るわけですが、銃の場合は、銃をさやに収めたら撃たれてしまうわけですから、そういう妥協の余地がより少ないわけです。あまり作品の本題とは関係ありませんが、銃の皮肉さを感じました。
いずれにせよ、アカデミー賞の名に恥じない面白い映画でした。