- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- 発売日: 2004/04/16
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4年間の昏睡から目を覚ましたザ・ブライド(ユナ・サーマン)は、かつて自分の結婚式で襲った連中への復讐を図る。当時彼女のお腹には子供がいて、ザ・ブライドはお腹の子供も一緒に殺されたと信じている。彼女は、沖縄に飛び、長年刀の制作をやめていたハットリハンゾウに頼み、鋭い刀を作ってもらった後、東京でヤクザのボスを務めるオーレン・イシイ(ルーシー・リュウ)との復讐戦に挑む・・・。
冒頭にこの映画が深作欣二監督に捧げられていることが象徴しているように、この映画はタランティーノ監督の日本映画に対する敬意が存分に反映されています。
戦闘シーンは“サムライ”の要素がふんだんに盛り込まれています。また、映画の中では、日本語で会話が交わされるシーンもたびたび出てきており、しかも、肝心な台詞が日本語だったりします。かなり日常会話というか、俗っぽう日本語も多々登場し、オーレン・イシイの「やっちまいな!」という台詞がその典型でしょう。オーレン・イシイとの決闘シーンが終わった後、バックに演歌調の音楽が流れるのには度肝を抜かれます。
この映画では、ただ単純に日本文化を描写しているのではなく、日本人のオーレン・イシイの役をルーシー・リュウが演じていたり、和風の建物の中でかたや2階の座敷で宴会、かたや1階ではバンドがゴーゴーを演奏しているというギャップが不思議な空間を醸し出していたりと、様々な文化テイストが加味されたものであり、途中、どこの国の映画を見ているのか分からなくなります。
東京大学の浜野保樹教授が書かれた『模倣される日本』によれば、この映画に対する影響は、次のような感じです。
- 深作作品にたびたび登場する千葉真一の出演
- 深作作品『バトル・ロワイアル』からの栗山千明の抜擢
- ルーシー・リュウの役名「オーレン」は『影の軍団Ⅳ』の志穂美悦子の役名「お蓮」から取っている
- 布袋寅泰作曲の『新・仁義なき戦い』のテーマ曲の使用
- 梶芽衣子が歌う『女囚さそり』シリーズテーマ曲「怨み節」や、『修羅の花』シリーズのテーマ曲「修羅の花」の使用
- 深作作品『柳生一族の陰謀』のテーマ曲の使用
- 足首を切りまくるシーンの三隅研次監督『子連れ狼/三途の川の乳母車』からの借用
- 日本のアニメーション制作会社、プロダクションI・Gが制作したアニメーションの挿入
- 千葉真一演じるハットリ・ハンゾウは、千葉のテレビシリーズの代表作『影の軍団 服部半蔵』の役名
模倣される日本―映画、アニメから料理、ファッションまで (祥伝社新書 (002))
- 作者: 浜野保樹
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2005/02
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血なまぐささがあまりにも多いのには辟易してしまいますが、この映画のアイデンティティの1大要素なので仕方ないかもしません。
何か怖いものを見たような後味ですが、よくできた意欲的な作品です。