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「天使のくれた時間」★★★★

 ニコラス・ケイジが好演し、ティア・レオーニの美しさが光る、ほのぼのとしていて、かつ、人生にとって何が大切かを教えてくれる素敵なファンタジー映画です。

 かつて恋人ケイト(ティア・レオーニ)の反対を押し切ってビジネスのために1人ロンドンに研修向かい、ケイトとの結婚を逃した主人公ジャック(ニコラス・ケイジ)は、それから13年後、ビジネスでは成功を収めて社長となり、豪勢な独身生活を送っていた。そんなとき、クリスマスイブに偶然出くわした強盗と出会ったことがきっかけとなり、クリスマスの朝に目覚めてみると、そこには、かつての恋人ケイトと2人の子供との温かい家庭が待っていた・・・。

 夫婦で地域のパーティーに参加したり、子供を保育園に送ったり、妻の家を継いだ地元の小さなタイヤ屋で働くといった生活に、ジャックは最初は大いにとまどう。妻の誕生日にラブソングを歌う自分のビデオを見つけて恥ずかしくなる。

 その後、ジャックはタイヤ屋から再びニューヨークでの高給職を得て、豪華なマンションがあてがわれるという話になる。ジャックは自信を持ってケイトに転職の話をするが、ケイトは、田舎から都会へ出てくる生活に大反対する。

ジャック「分からないのか。人も羨む生活が送れるのに」
ケイト「ジャック、もう十分恵まれてるわ」

 ジャックは、次第にケイトのいう恵まれた生活の意味を理解するようになり、このままの生活にとどまりたいと考えるようになるが、ジャックは結局元の世界に戻されてしまう。

 元の世界に戻ったジャックはケイトのところに行ってみると、ケイトはフランスの法律事務所を任され、フランスに行こうと準備しているところだった。ジャックは、空港でケイトが正に飛び立とうとしているところに駆けつけ、行かないでほしいと説得する・・・。


 この映画はこんなあらすじです。

 人生何が大切か、ビジネスで成功すること以上に人生にとって大事なものがあるのではないか、そんなメッセージをファンタジーのストーリーに乗せて力強く伝えてくれます。

 世の中では「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がもてはやされたりしていますが、どんな概念や説明を聞くことよりも、この映画を見れば、一番、人生にとって何が大切かがよく理解できます。

 歴史にifはないと言いますが、こういうifなら大歓迎です。