村上春樹論についても、適宜書いていきたいと思っています。
昨年の11月、村上春樹に対してカフカ賞が贈られました。この賞は2001年に創設ということですから、まだ新しい賞ということになりますが、04年、05年の受賞者はいずれもノーベル文学賞を受賞しているということですから、相当な権威を持った賞ということなのかもしれません。いわゆる青春時代に『ノルウェィの森』を読んで育った者として、大変うれしく思いました。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 31人 クリック: 899回
- この商品を含むブログ (773件) を見る
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 26人 クリック: 230回
- この商品を含むブログ (556件) を見る
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 149回
- この商品を含むブログ (508件) を見る
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (330件) を見る
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
- 購入: 9人 クリック: 36回
- この商品を含むブログ (338件) を見る
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/02/28
- メディア: 文庫
- 購入: 21人 クリック: 1,037回
- この商品を含むブログ (966件) を見る
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/02/28
- メディア: 文庫
- 購入: 17人 クリック: 124回
- この商品を含むブログ (724件) を見る
という何とも印象的なフレーズで始まり、先般、イッセー尾形、宮沢りえを初めとする豪華キャストと坂本龍一の音楽によって映画化された短編小説『トニー滝谷』も、孤独な主人公「トニー滝谷」が、洋服の買い込み癖があった妻に交通事故に先立たれ、その後、妻が残した洋服を着てもらうために秘書を雇うが、結局最後には孤独に戻ってしまう、というストーリーです。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 92回
- この商品を含むブログ (296件) を見る
“意”の文化と“情”の文化―中国における日本研究 (中公叢書)
- 作者: 王敏
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
こうした村上作品の中の主人公の生き方は、私たちに次のようなメッセージを発しているように思えます。
「ポストモダン社会においては、強い意志を持とうとしても、うまくは生きられない。深く考えず流れに身を任せて生きるのも、実は案外悪くないのではないか。」
悲しいことに、これといった社会全体の目標が存在しないポストモダンの時代にあっては、「強い意志」というのは生きるための術というよりか、むしろかえって人を生きづらくさせてしまうものとなってしまったのかもしれません。村上春樹氏は、こうした生きづらい社会において、肩肘張らない生き方を我々に教えてくれているような気がします。