映画、書評、ジャズなど

文化

セザンヌ展&エルミタージュ美術館展@国立新美術館

国立新美術館で、大きな展覧会が同時開催されています。今回は短時間でざっと巡ってみましたが、多くの素晴らしい作品が展示されていました。 セザンヌ展 セザンヌは後期印象派として知られる画家で、残した絵は、風景画からお皿にリンゴがのせられた絵まで…

青木保「「文化力」の時代」

「文化力」の時代――21世紀のアジアと日本作者: 青木保出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/12/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 元文化庁長官で、現在国立新美術館の館長を務めておられる青木保氏による過去の論文をまとめた著作です。論文…

瀬戸内アート巡り

GWに瀬戸内のアートを巡りました。高松→豊島→犬島→直島→高松というコースを1日で廻るという強行軍です。前回は、2010年の瀬戸内国際芸術祭の際に直島を巡りましたが、それ以来2年ぶりの訪問です。 豊島 最初に訪れたのは豊島(てしま)です。かつては…

サントリーホール25周年記念 ガラ・コンサート

サントリーホールで年1回開催されるガラ・コンサートを鑑賞してきました。今回で25周年とのこと。 大人数の津軽三味線で幕があき、ウラディーミル・アシュケナージとヴォフカ・アシュケナージ父子によるラヴェルのピアノ演奏、日野皓正によるチャップリン…

藤子・F・不二雄ミュージアム

9月3日にオープンしたようですが、大きな反響を呼んでいます。 川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム 民主党政権は、このミュージアムについても「市営マンガ喫茶」などと低俗な批判を繰り広げるのでしょうか?? 今や日本のアニメやマンガは世界に対して大…

バレンボイムの平和活動

先日、ダニエル・バレンボイムが韓国と北朝鮮が対峙する軍事境界線の近くでコンサートを開いたとの記事を目にしました。 軍事境界線近くで平和願う演奏会 8月16日 4時5分 韓国と北朝鮮が対じする軍事境界線の近くで、15日夜、イスラエルとアラブ諸国の音楽…

NHK ETV特集「鯨の町に生きる」

和歌山県太地町の鯨漁師たちの思いをまとめたドキュメンタリー番組を見ました。 【ETV特集】「鯨の町に生きる」7/24(日)夜10時 反捕鯨団体の執拗な抗議活動を受ける中で、鯨漁と真剣に向かい合う漁師たちやその家族たちの苦悩が大変よくまとまっていま…

タイラー・コーエン「創造的破壊―グローバル文化経済学とコンテンツ産業」

創造的破壊――グローバル文化経済学とコンテンツ産業作者: タイラー・コーエン,田中秀臣,浜野志保出版社/メーカー: 作品社発売日: 2011/05/27メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 55回この商品を含むブログ (25件) を見る アメリカのジョージ・メイソン大学…

岡倉天心「東洋の理想」

東洋の理想 (講談社学術文庫)作者: 岡倉天心出版社/メーカー: 講談社発売日: 1986/02/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (23件) を見る 震災復興を考える中で、東洋と西洋の対比という視点に改めて関心を抱いています。その観点…

クリエイティブ空間・倉敷美観地区

今回、倉敷まで足を伸ばしてみました。前回赴いたのは修学旅行のときですから、本当に久しぶりの再訪です。均質で古風な街並みと情緒溢れる水辺が印象に残っていました。 倉敷はもともと江戸時代は米の積み出し港として栄え、幕府の天領として代官所が置かれ…

震災と日本人の自然観

大地震と大津波の発生から2週間が経過しました。福島第一原発の状況が依然として予断を許さない状況にあるため、なかなか復興に向け本腰が入らないのがもどかしい状況です。また、被災者の方々の避難所生活が長引くことによる多面的な影響が大変心配です。…

谷崎潤一郎「陰翳礼讚」

陰翳礼讃 (中公文庫)作者: 谷崎潤一郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1995/09/18メディア: 文庫購入: 26人 クリック: 180回この商品を含むブログ (222件) を見る 陰翳に対するスタンスを通じて日本と西洋の美意識を論じたとされる谷崎潤一郎のあまりに…

大竹伸朗「既にそこにあるもの」

既にそこにあるもの (ちくま文庫)作者: 大竹伸朗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/04メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 35回この商品を含むブログ (49件) を見る 直島の有名な銭湯や歯医者を改造したアートを創り出すなど、日本の現代アート・シーン…

坊ちゃん劇場@愛媛

愛媛には「坊ちゃん劇場」というきらりと光る演劇の場があります。松山市内から車で30分程度走った東温市というところのショッピングモールの隣に位置しています。 坊っちゃん劇場 - BOTCHAN THEATER この劇場では、専属の劇団がロングラン公演を行ってい…

ところミュージアム@大三島

しまなみ街道の途中の大三島に、こじんまりとした素敵なミュージアムがあります。 所敦夫さんという横浜市在住の元会社経営者の方が建てられたミュージアムだそうです。 瀬戸内海に面した斜面に建てられており、いくつかの現代美術の作品が展示されています…

東浩紀編「日本的想像力の未来 クールジャパノロジーの可能性」

日本的想像力の未来?クール・ジャパノロジーの可能性 (NHKブックス)作者: 東浩紀出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2010/08/26メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 17人 クリック: 212回この商品を含むブログ (31件) を見る 今年3月に開催さ…

鳴海邦硯「都市の自由空間」

都市の自由空間―街路から広がるまちづくり作者: 鳴海邦碩出版社/メーカー: 学芸出版社発売日: 2009/10/15メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 都市空間を「イエ的な空間」と「ミチ的な空間」とに分け、後者を「自由空間」と呼…

「俳句甲子園」が面白い!

松山市では毎年、各地から高校生が集まって「俳句甲子園」が開催されています。 http://www.haikukoushien.com/ 与えられたテーマで各チームが俳句を作成し、それぞれの俳句について、互いに討論を行い、最終的に審査員が勝敗を判定します。初日の予選は松山…

瀬戸内国際芸術祭2010〜直島へ

四国に来てどうしても行ってみたいところがありました。それは、ベネッセ・コーポレーションが総力を挙げて美術館を中心とする観光スポットを構築した直島です。中でも「地中美術館」は、人口3400人の島において年間34万人の集客を誇る一大観光スポットです…

マネとモダン・パリ

東京駅近くに新しくオープンした三菱一号館美術館に行ってきました。 レンガ作りのモダンな洋館にある美術館は、端正でこじんまりとした中庭を持ち、大都会のど真ん中にあるという事実を一瞬忘れさせる魅力を持った空間です。 ここで4月から「マネとモダン…

マイク・モラスキー「ジャズ喫茶論」

ジャズ喫茶論 戦後の日本文化を歩く作者: マイク・モラスキー出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/02/27メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (11件) を見る 本書は日本文化をジャズという切り口から研究するアメリカ人研究者マ…

レヴィ・ストロース死去

【ロンドン=鶴原徹也】20世紀を代表する文化人類学者でフランス現代思想の「最後の巨人」だった、クロード・レビストロース氏が10月30日、仏東部リニュロール村の別荘で死去した。100歳だった。親族による密葬を経て、同氏の著作の出版社などが3…

広義の文化政策 不可欠な軸

9月25日の読売新聞朝刊で、慶応大の渡辺靖教授が民主党の文化政策について興味深い指摘をされています。 民主党が予算の無駄遣いの象徴として批判してきた「アニメの殿堂(国立メディア芸術総合センター)」の建設中止を、川端達夫文部科学相が表明した。…

蓑豊「超・美術館革命―金沢21世紀美術館の挑戦」

超・美術館革命―金沢21世紀美術館の挑戦 (角川oneテーマ21)作者: 蓑豊出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/05メディア: 新書購入: 1人 クリック: 66回この商品を含むブログ (53件) を見る 先日の金沢市の訪問で足を運んだのが、本書のテーマである金沢2…

「アニメの殿堂」 文化政策のあり方を問え(8月10日付・読売社説)

少し前になりますが、8月10日の読売新聞の社説にて、国立メディア芸術総合センターについて取り上げられていました。 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090809-OYT1T00987.htm 本社説では、メディア芸術総合センターの是非についてはっきりと明…

井上ひさし「ボローニャ紀行」

ボローニャ紀行作者: 井上ひさし出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (20件) を見る 近年はやりの創造都市といって真っ先に取り上げられるのがイタリアのボローニャです。ミートソース発…

岸博幸「「アニメの殿堂」ほど正しい予算の使い方はない」

テクノロジー :日本経済新聞 この記事についてのみ言えば、著者の意見に全く賛同します。 海外から日本のアニメを目当てに来日した人たちが足を運ぶような場所を作ることの意義は極めて重要です。 そのためには、中途半端な予算で陳腐な施設を作ったってダ…

村上隆「芸術起業論」

芸術起業論作者: 村上隆出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/06メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 322回この商品を含むブログ (191件) を見る 「スーパーフラット」で一躍評価が高まった村上氏の芸術論です。日本ではあまり評価されず、半ば失意の中渡…

櫻井孝昌「アニメ文化外交」

アニメ文化外交 (ちくま新書)作者: 櫻井孝昌出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/05メディア: 新書購入: 1人 クリック: 85回この商品を含むブログ (19件) を見る コンテンツメディアプロデューサーである著者が、諸外国でアニメの講演をした際に感じた若…

バレンボイム中東公演中止

大変残念なニュースです。 http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090107/mds0901071041004-n1.htm 世界文化賞受賞者のバレンボイム氏、ガザ情勢で中東での公演中止 世界的指揮者でベルリン国立歌劇場の音楽監督を務めるユダヤ人のダニエル・バレンボイム…